●『夕刊フクニチ』紙10月24日付「白蓮秋の夜語り」と題したインタビュー記事
一番好きだったところといえばどんなところですか?
「そうですね。多々良浜辺とか、箱崎浜など好きだった。
秋くれば博多小女郎もなげきけむ浪の遠音に人の待たるる
の歌も 多々良浜に友達と遊んだ時にうたったと思うんですが。」
博多小女郎のこと..博多柳町(やなぎまち)というのは白縫物語(しらぬいものがたり)にもあり近松門左衛門の博多小女郎浪枕(はかたこじょろうなみまくら)というのにもある有名な遊郭のあるところ。江戸で言えば吉原。
博多小女郎に通いなじんだ毛削九右エ門(けぞり きゅうえもん)というのは密貿易の海賊だったろう。
長い歴史をもったこの柳町(やなぎまち)もこの度の売春禁止で更生に幸あれとの念願から柳町(やなぎまち)に私の歌碑 を建てたいとの話になった。
私の歌は
秋くれば博多小女郎もなげきけむ
浪の遠音に人の待たるる
博多官内町(現・中呉服町)一行寺という寺で、その有志の人々と 会った。
● 白蓮著『火の國の恋』(出版タイムス社、昭和三十四年刊)